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脳はいかに治癒をもたらすか(その15 目を覆う ) [つぶやき]

前回記事の続きです。
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視力を失うことで繊細な感覚を発達させていたウェバーにとっては、体の感覚に意識を集中するフェルデンクライス・メソッドの手法は、非常に馴染みやすかったようです。

まず、1年間ほどフェルデンクライス療法家からレッスンを受けることで、慢性の痛みからくる張り詰めた心身の状態が、少しずつ改善していきます。

強い筋緊張や、炎症からくる反射などに苦しんできた彼にとって、不安と全般的な緊張が和らぐレッスンの改善効果は、よほど大きなものがあったのでしょう。
この楽しさと有効性を実感したウェバーは、自分自身もフェルデンクライス療法家になろうと考えるようにまでなりました。
目が見えなくても、患者(クライアント)に話しかけながら、手足を穏やかに動かすことでレッスンを実施することができるからです。

そんなある日、ウェバーは、フェルデンクライスが遺した1000以上もあるレッスンコースの中に「目を覆う」という視力改善のための1時間コースがあることを知ります。

そこで彼は早速、その録音テープを入手して試してみることにしました。

「このレッスンは視力の回復ではなく、目の見える人の視力を改善するための一連の方法を提供していた。(中略)ウェバーは床に横たわってテープを聴いた。そしてただちにそれが、フェルデンクライスがベイツ・メソッドを探求して改変したものであり、驚くほど仏教の訓練に似ていることに気づいた。」

※「脳はいかに治癒をもたらすか」(ノーマン・ドイジ著、高橋洋訳、紀伊国屋書店)
 「第6章 視覚障害者が見ることを学ぶ」より。

これは、どんな訓練だったのでしょうか。

まさかフェルデンクライスのレッスンが、こんなに悪化してしまった視力の回復に役立つことがあるとは、デイヴィッド・ウェバー本人はもちろん、このメソッドを開発したフェルデンクライス自身も想像していなかったかもしれません。

続きは次回。
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by MI

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